ブルーベリーの土づくり どんな土がいいのか?
以前の投稿で、鉢植えと地植えどっちがいいのか?という記事を書きましたが、今回はどんな土がブルーベリーに向いているのか?を考えていきます。
土って自然の土壌でも、鉢植えにしても作ることは可能です。
美味しいものを作るには農産物に合ったものを選ぶ必要があるので、土づくりは育て方と同じくらい大事です。
ブルーベリーに合う土とは
・酸性の土壌であること
・水はけのいいこと
ブルーベリーを育てるうえで一番大事ともいえるのが、土壌のphが酸性(4.3~5.5)であることです。
一般的な農産物は弱アルカリ性です。なので、phが真逆です。よくこれを間違えてブルーベリーが育たない、美味しい実ができない、最悪枯らしてしまった…なんていうご質問・相談をいただきます。
これから育てようと考えている方は注意してくださいね。
よく使われる土 ピートモスと鹿沼土
ブルーベリーの土づくりでよく使われるのがピートモスと呼ばれる土です。
ピートモスはミズゴケなどが腐って蓄積して泥炭したものです。文字面だけ見ると何のことかサッパリ分かりませんが、簡単に言えばたぶん腐葉土の一種です。ただ、普通の腐葉土と違うのが、phが酸性なことです。
ですので、ブルーベリーを育てるにはぴったりの土です。
保水力がいいのですが乾燥状態の場合は、なかなか水を吸ってくれないので植え付けてからは乾燥させないことが大事です。
鹿沼土もよく聞く土です。栃木県鹿沼市付近で採れる軽石が主成分の土で、これもphが酸性の土です。
軽石が主成分なので水はけもよく、軽石の小さな穴に水を保てるので保水力もある土です。
ブルーベリーではよくピートモスと鹿沼土をブレンドして使うことが多いです。
ほかの土はだめなのか?
でまぁ、ここまでは一般的な話でいろんなところで言われている話なので…本題はここからです。
ブルーベリーを栽培するうえで、ほかに使える土はないのか?というか、ほかの土じゃダメなのか?という話です。特に地植えの場合は土壌改良は大変です。
で、調べてみたんですが早い話…酸性の土壌で水はけがよければ大丈夫です。
とある研究によると
3種類の土(黒ボク土、真砂土、粘質土)をブルーベリーの好む酸性土壌に改良して、成長と収量・味を比較した結果、きちんと酸性の土壌であれば成長も収量も味もそこまで大きな変化はなかったそうです。
ただし、品種によって(特にハイブッシュ系)は、水はけが悪い土は向いてないので、水はけもやっぱり大事なの大事です。
参考文献:栂野 康行.藤本 順子.小豆澤 斉.2004.土壌の違いがブルーベリー品種の若木の樹体生育及び果実品質に及ぼす影響.農業生産技術管理学会誌.11巻2号69-73.
高山ガーデンの畑って
で、言われてみれば高山ガーデンの畑の土も…畑の全部にピートモスやらを混ぜ込んで作っているかと言われるとそうではありません。元から赤土で弱酸性な土地なのもありますが、ピートモスをまいた場所って基本的には木の植え付けた場所や周り程度です。上下にある画像を見てもらったら分かりますが、植えたまわりだけ色が変わっています。(あくまで、高山ガーデンの畑の元の状態だからできる話かもしれないので、鵜呑みにしないでください。phが高い土壌なら、植え付ける場所全体のphを改善しないといけない可能性も十分にある…ということもあると思います。)
元々広葉樹がたくさん生えていたところなので腐葉土が表面にあり表面は水はけがいいですが、掘ったら下の層は赤土の粘土質なので、水はけが良いかと言われると微妙です。(上下の層で水はけのバランスが良いのかもしれませんが。)
なので、やはりブルーベリーを育てるうえでは、酸性土壌であることがまず一番大事です。
研究の中でもありますが、なんでハイブッシュは水はけもいるの?という話について。
ハイブッシュ系とラビットアイ系を比べると、根の強さが違います。一般的にはラビットアイの方が土壌適性も高く、多少phが高くても育ってくれますが、ハイブッシュはわりとシビアな品種もあります。なので、ハイブッシュは土づくりや根っこの面で少し難しいところがあります。(あとはノーザンハイブッシュは気温的な面でも。)
ネット販売なんかで接ぎ木苗で、土台の木がラビットアイ系でついだ木がハイブッシュなのも、ラビットアイの方が土壌適性が高く根っこが強いからです。
今日のお話がブルーベリーを育てる上でなにか役に立てば幸いです。